2025/07/14 16:27
Producer's Story
株式会社うるかしこと
▸お話をお伺いした、株式会社うるかしこと 津川渚奈於(すなお)さん

【すなおな生き方を体現する場所】
2024年2月、秋田県横手市に新たなクラフトビール醸造所が誕生しました。
その名も「sunao brewery」。
醸造所の立ち上げと共にオープンしたタップルームは連日多くの地元の方で賑わっています。
ビールの美味しさに魅了され、一念発起して県外からUターン。
醸造所を立ち上げた、代表の津川渚奈於さんにお話を伺いました。
「sunao brewery」という名前には、ビールづくりに対する強い想いが込められています。
一つは、代表自身のお名前である「渚奈於(すなお)」に由来。
そしてもう一つは「人としてすなおに生きる」という価値観を、ビールを通じて皆さまと共有したいという願いから。
ここで言う「すなお」とは、無理をしない、自分らしくあること。
必要なものを必要な分だけ丁寧に楽しむこと。
そんな、すなおな生き方を体現する場所、それが「sunao brewery」のコンセプトです。
大量生産・大量消費の現代の流れから少し身を置き、自分にとって本当に必要なものを見つける喜び。
安定した同じ味を追求するのではなく、地元産ホップの個性や季節の移ろいを感じられる一杯の提供に力を注いでいます。
▸sunao brewery タップルーム

【横手のホップを守りたい】
横手市大雄地区は、かつて日本一のホップ産地として輝かしい歴史を持つ地域でした。
1971年にホップ栽培が始まり、最盛期には133戸の農家が62ヘクタールで栽培。
その品質の高さから「日本のビールを支える基盤」とも呼ばれていたほど。
大雄産ホップの最大の特徴は、そのフレッシュで香り高い風味です。
寒暖差のある気候と肥沃な大地が生み出す独自の個性は、他のどの地域にもない魅力。
一つひとつ丁寧に育てられたホップには、農家の知恵、技術、そして地域への誇りが込められています。
しかし、時代の変化とともに農家の高齢化や後継者不足が進み、現在では20戸/16ヘクタールと、かつての面影は薄れつつあるそうです。
それでも大雄産のホップは変わらず高い品質を誇り、全国のビールメーカーからも評価を受けています。
(横手市は2018年にキリン㈱と連携協定を結んでおり、2024年に販売された大ヒット商品である「晴れ風」には大雄産の希少ホップ「IBUKI」が使用されています)
そして、実は国内のクラフトビールの多くは輸入ホップに頼っているというのが現状。
国産であり、秋田県大雄産のホップを使ったビールづくりは、地元農家を支えるだけでなく、日本全体のホップ産業に新たな希望をもたらす第一歩になるでしょう。
貴重なホップを未来に残すこと。
その使命感も「sunao brewery」さんの原動力となっています。
▸横手市大雄産のホップ

▸醸造所内の発酵タンク

【好きなものは、自分でつくりたい】
渚奈於さんに、クラフトビールづくりを始めたきっかけを伺いました。
はじめはドイツに行ったときに飲んだビールの美味しさに魅了された体験から。
それから日本各地にある地ビールレストランにハマり、クラフトビールも好きになっていったのだそうです。
大学卒業後は都内で会社員としてお勤めになっていたそうですが、
「大好きなビールを、自分でつくってみたい」
という思いから、都内マイクロブルワリーで修業したのちに、sunao breweryを立ち上げたそうです。
そして、なぜ秋田の横手でビールづくりをはじめたのか?
という質問に対しては、このように答えてくれました。
「関東で小さくブルワリーを立ち上げたとして、お客さんは付くかもしれないけど、淘汰が始まっていくと勝てる要素が少ない。
それならば、ホップ農家が近くにいて、原料にこだわったビールづくりができる横手ではじめようと思った。」
秋田県横手市という唯一無二の土地で、そこでしかできない商品を生み出していくこと。
シンプルですが、難しいことだと思います。
そのような取り組みにチャレンジしているsunao breweryさんを心から応援していきたいと思っています。
▸樽に詰められたクラフトビール

▸待望の缶製品が販売開始

株式会社うるかしこと(sunao brewery) の商品はコチラから↓
■【ホップの世界を、冒険しよう】sunao brewery クラフトビール2種 6本セット [350ml×6]
https://manzuya.official.ec/items/113192210
【株式会社うるかしこと】
代表取締役:津川 渚奈於
所在地:秋田県横手市駅前町1-21 Y2ぷらざ3階
醸造所&タップルーム:秋田県横手市田中町4-25
【文責:奥颯人】